犬の主要な腎臓・泌尿器疾患
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1、アシドーシス
血漿中の重炭酸イオン〔HCO3-]濃度が減少し、水素イオン[H+]濃度が上昇します。pHは低下します。 重炭酸イオンを多く含む液体の喪失、腎臓からの酸の排泄の減少などによって起こります。その結果、心筋の収縮性が減少して、心室性不整脈、心室細動を起こすことがあります。
症状
犬の外見以上に深刻な症例があります。腎不全、糖尿病、副腎皮質機能低下症、ある種の中毒、激しい下痢、炭酸脱水素酵素阻害剤の投与などによってアシドーシスになります。重度のアシドーシスの犬は沈うつになります。頻呼吸が見られることもあります。
診断
血液ガス検査:血液専門獣医科で検査してください。高窒素血症:腎不全、高血糖:糖尿病、高カリウム血症、低カリウム血症など。
治療
乳酸リンゲル液、場合によって炭酸水素ナトリウム。高カリウム血症と心室性の不整脈に注意します。頻回の嘔吐では低カリウム血症になっています。
2、アミロイドーシス
不溶性のアミロイドが細胞外に沈着します。 犬の腎臓の糸球体に沈着して蛋白尿やネフローゼ症候群になります。肝臓、脾臓、膵臓、副腎、消化管にもアミロイドが沈着します。中高齢に多く発症します。
症状
食欲不振、多渇多尿、体重減少などです。腹水、浮腫があると重症です。肝疾患の症状も呈します。
確定診断
腎生検。麻酔は犬には大きな負担です。
治療
乳酸リンゲルで脱水を補正します。アシドーシスの治療も必要です。蛋白とナトリウムを制限します。低用量のアスピリンなどで治療します。
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3、アルカローシス
血漿中の重炭酸イオン〔HCO3-]濃度が増加し、水素イオン[H+]濃度が低下します。pHは上昇します。
症状
虚弱、カリウム欠乏による不整脈、カルシウムイオン濃度の減少による筋肉の痙攣などを引き起こします。頻繁の嘔吐、利尿剤の投与なども原因です。 重炭酸塩濃度を検査することは少ないので、誤診しやすい病気です。
治療
KCLを添加した0.9%生理食塩水の点滴。リン酸カリウムは使用しない。
4、異所性尿管
尿管が、尿道、膣など、異常な位置に開口する先天性疾患です。
症状
間欠的、あるいは、持続的な尿失禁があります。皮膚部分は尿焼けで赤黄色く変色します。遺伝はしない。
診断
X線検査:排泄性尿路造影、膀胱陽性造影。超音波検査:尿道と併走する尿管が確認されることがあります。
治療
腎臓・泌尿器専門の獣医科で、尿管を膀胱に開口させる外科手術を受けさせる。
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検索! 子宮蓄膿症で来院した犬に発見された異所性尿管の1例 2007.1.動臨研合同カンファレンス要旨より
5、犬の下部尿路感染症
雌犬に多い疾患です。高齢になるほど多くなり、尿結石、腫瘍などが原因のこともあります。雄犬は前立腺疾患が関与することがあります。
症状
血尿、頻尿、排尿障害、尿意切迫、おもらし、アンモニア臭の強い尿など、様々な症状を呈します。
診断
触診:膀胱や尿道の圧通を示します。慢性尿路感染症は膀胱壁が肥厚しています。N-マルティスティックスSG-Lは、白血球、亜硝酸塩、蛋白質、pH、潜血、比重が測定できます。その他にウロビリノーゲン、ケトン体、ビリルビン、ブドウ糖が検査できます。尿培養と感受性試験:膀胱穿刺の尿が好ましい。X線検査、超音波検査:膀胱、尿道の潜在的な病変を精査します。
治療
フルオロキノロンなど、適切な抗生物質を、1週間~数ヶ月間投与します。処方食pHコントロール。糖尿病、副腎皮質機能亢進症、尿結石があればそれらの治療も行ないます。
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6、血尿症
尿中に血液が混在します。上部尿路疾患、下部尿路疾患、生殖器系疾患で血尿になります。原因は様々です。
診断
血液検査:腎機能、血小板、凝固系の検査。尿検査:結晶、細胞、培養など。N-マルティステックスSG-L検査。X線検査。超音波検査:腎、尿管、膀胱、前立腺、子宮など。
治療
pHコントロール、抗生物質。手術が必要な難しい症例は、腎臓・泌尿器専門の獣医科で外科手術を受けさせる。
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7、高窒素血症、尿毒症
腎前性、腎性、腎後性によって、血中などに尿素、クレアチニン、その他の非蛋白性窒素化合物が過剰に存在する疾患です。それらは、腎前性高窒素血症、腎性高窒素血症、腎後性高窒素血症に分類されます。障害は全身に及びます。
症状
食欲不振、元気消失、沈うつ、倦怠感、嘔吐、下痢、尿毒臭の口臭、脱水、つやのない被毛、強膜、結膜の充血など。末期で、貧血、昏睡、痙攣などの症状を呈します。
診断
血液検査:高窒素血症、高クレアチニン血症、高カリウム血症。尿検査:尿比重が1.030以上の場合は腎前性窒素血症を示唆します。腹部X線検査。腎臓超音波検査:腎実質のエコー源性の違い、腎臓の大きさを検査します。尿管、尿管結石を検査します。腹水は膀胱破裂の可能性があります。心電図検査:高カリウム血症の波形を検査します。確定診断:腎生検です。
治療
0.9%生理食塩水の輸液。尿路の閉塞を解除します。
検索! 電解質異常の心電図
検索! KAWANO'S HOMEPAGE 心電図異常 高カリウム血症
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8、糸球体腎炎
腎臓の糸球体内に免疫複合体が沈着します。糸球体腎炎が進行すると、硝子化、硬化して、ネフロン喪失、慢性腎機能障害、腎不全になります。
症状
多渇多尿、食欲不振、悪心、嘔吐、体重減少、元気消失、浮腫、腹水、血栓症、高血圧など。
診断
尿検査:蛋白尿。血液検査:低アルブミン血症。蛋白尿:クレアチン比を調べる。(ネフロン喪失が進むにつれて蛋白尿は減少します。)確定診断:腎生検です。腹部X線検査。超音波検査など。腎臓・泌尿器科専門の獣医師に受診させる。
治療
ナトリウムを減らす。高品質の低蛋白食。ACE阻害剤、低容量のアスピリン、コルチコステロイド、アザチオプリン、シクロスポリン、シクロホスファミドなど。
検索! JBVP 日本臨床獣医学フォーラム 泌尿器疾患関連 文献(要約)町田晴市(町田動物病院)
検索! メルクマニュアル家庭版 腎臓と尿路の病気 腎臓と尿路のしくみと働き 腎臓
9、腎盂腎炎
上部尿路感染症です。通常、下部尿路感染の原因菌が上行感染することによって起こります。腎盂内の結石は感染菌の温床です。重症な犬は尿路性敗血症に陥ります。
症状
発熱して、食欲不振になる犬もいます。多渇、多尿、頻尿、排尿障害。腹部、腰部の疼痛、排尿痛、血尿、悪臭尿、変色尿など。
診断
触診:腎臓の触診を痛がる。血液検査:白血球の増加。尿検査:血尿、蛋白尿、細菌尿など。超音波検査:腎盂、近位尿管の拡張、高エコー源性。腎結石の検査など。確定診断:腎盂の尿の培養結果と腎生検。
治療
pHコントロール、腎結石は除去します。抗生物質を1ヶ月以上連用する。
検索! がんばれ!わんこ 泌尿器系の病気
検索! 病気のはなし・病気辞典・病気 腎盂腎炎 十文字学園女子大学教授 獨協医科大学名誉教授 森三樹雄
検索! 日本消化器病学会 市民のみなさまへ 触れるだけでぴたりと診断(超音波の世界) 小原勝敏(福島県立医科大学付属病院内視鏡診療部)
10、腎結石症
腎盂内、集合管憩室に結石が存在する疾患です。結石が尿管に流入すると尿管結石になります。尿路感染症、水腎症、腎後性尿毒症などの問題も孕んでいます。結石の成分によって、シュウ酸カルシウム、ストラバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)、尿酸アンモニウム塩、リン酸カルシウム、シスチン、混合物に分類します。
症状
多くは無症状です。血尿、頻尿、排尿困難、腎疝痛、食欲不振、嘔吐、発熱、倦怠感など。閉塞の具合で症状が変わります。
診断
血液検査:左方移動を伴う白血球増加。尿検査:血尿、結晶尿。X線検査。超音波検査。
治療
ストラバイト、尿酸塩、シスチン尿結石は内科治療が可能です。
検索! メルクマニュアル家庭版 尿路結石
検索! 金原出版 尿路結石症 診療ガイドライン (日本泌尿器学会、日本EE学会、日本尿路結石学会 編集) 監修 楠仁会 鎌倉ヒロ病院 泌尿器科 吉川裕康
11、薬物による腎障害
疾患の診断、治療に用いる腎毒性のある薬物は数多くあります。それらの殆どの薬物は近位尿細管壊死を起こします。アミノグリコシド系抗生物質(硫酸ゲンタマイシン)、硫酸アミカシン、硫酸トブラマイシン、塩酸テトラサイクリン、サルファー剤(トリメトプリム-スルファ)、抗真菌剤(アンホテリシンB、フルコナゾール)、抗腫瘍剤(シスプラチン)、ACE阻害剤、非ステロイド系抗炎症剤、駆虫剤、造影剤などで腎障害が起こります。詳細は獣医師にお尋ねください。
症状
胃腸炎、潰瘍、多飲、多尿、食欲不振、嘔吐、下痢、脱水、メレナ、アシドーシスの症状、頻呼吸、呼吸困難、易感染、元気消失、沈うつなど。
診断
血液検査:高窒素血症、高リン血症。
治療
0.9%生理食塩水の補液。
検索! 薬物による腎機能障害の病歴と発症機序 大阪薬科大学薬理学教室 玄番宗一
12、腎肥大
片側性、両側性に腎臓が肥大します。腫瘍、炎症、感染、尿路閉塞、腎嚢胞、腎膿瘍、水腎症などによって肥大しているように見えたり、また、実際に肥大します。
症状
食欲減退、元気消失、体重減少、嘔吐、下痢、多尿多渇、腹部膨満など。
診断
血液検査:高窒素血症を調べます。泌尿器専門の獣医科は高リン血症を調べます。尿検査:高蛋白、血尿、比重などを検査します。X線検査:腎臓の大きさを調べます。第2腰椎の3.5倍以上の大きさ。(正常は2.5倍~3.2倍)腎臓・泌尿器科専門の獣医師で排泄性尿路造影で検査する。超音波検査:腫瘍、膿瘍、感染、血腫、嚢胞、偽嚢胞、水腎症を鑑別します。確定診断:腎生検。
治療
乳酸リンゲル液の補液、外科手術など。
検索! 最新医療情報 MEDICAL NEWS 共同通信社 腎臓病に「兵糧攻め」治療
13、急性腎不全
幾つかの原因で腎臓の濾過機能不全が起こり、尿毒症になります。腎前性の疾患(ショック、薬物、心不全による腎臓の血流不足など)。腎性の疾患(腎炎を起こす疾患、血栓栓塞症、熱射病、長時間の麻酔など)。腎後性の疾患(泌尿器の閉塞など)。
診断
腎前性、腎性、腎後性を鑑別します。血液検査:BUN、クレアチニン、白血球、その他の血液検査。尿検査:細菌、蛋白、血糖、その他の項目。X線検査:腎臓の大きさなど。超音波検査:腎臓の大きさ、高エコー、腎盂、尿管の拡張、結石などを検査します。
治療
腎臓サポートの食餌、0.9%生理食塩水を過剰気味に補液、ラクテックGの補液。水和されたらフロセミドなどで利尿します。重炭酸ナトリウム、コントミン注射。プロナミド、タガメット、スクラルファートを投与します。治療は綿密な計画が必要です。
検索! 1DOGLUCK 犬の病気 泌尿器・生殖器の病気>腎不全
検索! 日腎会誌 2002:44:94-101 急性腎不全 菱田明 浜松医科大学第1内科
検索! 病院の検査の基礎知識 腎臓と泌尿器の病気の検査の一覧
14、慢性腎不全
不可逆性の腎機能不全です。腎実質の75%以上が尿濃縮能を欠如しているので犬の尿比重は1.030以下です。加齢によって腎実質の破壊が進み、15歳を過ぎると5%ほどの犬が慢性腎不全になっています。
症状
多尿多渇、食欲不振、嘔吐、元気消失、体重減少、頻尿、脱水、粘膜蒼白、尿毒症臭の呼気、昏睡、痙攣など。
診断
血液検査:高窒素血症、高クレアチニン血症、その他。尿検査:尿比重1.030以下。軽度の蛋白尿。X線検査:小さな腎臓。超音波検査:腎臓が小さくなっているかを検査します。
治療
ラクテックGを皮下注射。コントミン注射。プロナミド、タガメット、クレメジン、紫苓湯などの投与。電解質サポート、腎臓サポートの食餌など。
検索! CKD診療ガイド 日本腎臓学会編 日本腎臓学会理事長 菱田明
15、前立腺炎、前立腺膿瘍
前立腺炎には慢性と急性があります。急性前立腺炎になった犬の半数は前立腺膿瘍があります。細菌、マイコプラズマ、真菌が感染しています。
症状
慢性前立腺炎:無症状、しぶり、排尿障害、血様の尿道排出物など。
急性前立腺炎:しぶり、排尿障害、腰が下がった歩様、食欲不振、元気消失、不安、発熱、下腹部の疼痛、血様の尿道排出物など。
診断
直腸検査:盛り上がった前立腺を触ります。直腸温が40度Cほどの高熱です。血液検査:急性前立腺炎で白血球増多(好中球増多)。ブルセラの検査は腎臓・泌尿器専門の獣医科で行なう。尿検査:白血球、細菌、血尿など。側方X線検査:前立腺の肥大像を確認する。超音波検査:前立腺の大きさ、エコー源性、空洞化、膿瘍などを調べます。
治療
ウロエース、抗生物質、電解質の補給、外科的ドレーン設置、前立腺の手術、去勢など。
検索! 犬の前立腺疾患 文責 中村智之
16、前立腺肥大
対称性肥大と非対称性肥大があります。良性前立腺過形成、急性前立腺炎、慢性細菌性前立腺炎、前立腺腫瘍などで前立腺が肥大します。
症状
初期は無症状、細い大便、排便の困難、排尿障害、後肢のこわばり、尿道閉塞など。
診断
尿検査:細菌性前立腺炎の犬は、膿尿、細菌尿、血尿、蛋白尿など。X線検査:前立腺の肥大、石灰化を検査する。超音波検査:前立腺の大きさとエコー源性の程度を検査します。
治療
ウロエース、抗生物質、電解質の補給、去勢など。腎臓・泌尿器専門の獣医科で外科的ドレーン設置、前立腺の手術、抗ガン剤による化学療法を受けさせる。
検索! 臨床X線学講座 第66回 生殖器系読影の実際 その1 前立腺の評価法 夏掘雅宏 日本動物高度医療センター
検索! ALOKA 超音波検査セミナー Chapter 3 膀胱・前立腺 前立腺肥大
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検索! Boston Scientific 前立腺肥大通信 No.2 監修 国際親善総合病院 院長 村井勝先生
17、多尿症、多渇症
多尿症は、1日に体重1kgあたり45ml以上の尿産生があります。多渇症は、1日に体重1kgあたり90ml以上の飲水量があります。腎臓、下垂体、視床下部(前葉の渇き中枢の刺激で多渇症。後葉の抗利尿ホルモンADHの合成の不足、放出の制限で多尿症。)、心血管系の疾患によって、多尿症、多渇症になります。多尿症、多渇症になる原因は様々です。ネフローゼ症侯群、腎不全、腎盂腎炎、副腎皮質機能亢進症、肝不全、糖尿病、子宮蓄膿症、尿崩症、腫瘍などは代表的な病気です。
診断
診断は難しいので一概には言えません。腎臓・泌尿器科、生殖器科、内分泌科、循環器科、消化器科、腫瘍科など、総合的な専門知識が必要です。血液検査。X線検査。超音波検査:肝、腎、副腎、子宮などを検査します。
治療
ラクテックG、電解質サポート、その他。
検索! 花王 犬の何でも相談室 食欲がない ACプラザ苅谷動物病院 葛西橘通り病院院長 内田恵子先生
18、蛋白尿
尿中の蛋白質が増加します。前糸球体性蛋白尿、糸球体性蛋白尿、後糸球体性蛋白尿があります。軽度の蛋白尿は健康そうな犬でも見られます。
診断
尿検査:尿比重を考慮して、尿スティック検査の尿蛋白の増加を判断します。尿蛋白/クレアチニン比など。超音波検査:腎皮質と腎髄質が不明瞭になっているかを検査します。腎臓の大きさ、腎表面の不規則性などを調べます。確定診断:腎生検。
治療
適度に蛋白質を制限した食餌、ACE阻害剤。浮腫にはフロセミドを投与します。
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検索! 試験紙法による蛋白/クレアチニン比の臨床的有用性 バイエルメディカル株式会社 学術部POCグループ 白柳譲
19、尿糖
尿スティック検査で陽性になるほどの糖が尿中に存在します。糖尿には、一過性糖尿、持続性糖尿があります。糸球体濾過液中のグルコース濃度が尿細管上皮の輸送閾値(170~220)以上になると糖尿になります。一過性糖尿は、生理的糖尿(ストレスなど)、薬物学的糖尿があります。
症状
糖尿が慢性、重度になると、多尿多渇、尿路感染症、その他、原発疾患による症状を呈します。
診断
尿検査:糖尿、ケトン体の尿スティック検査。血液検査:腎機能検査。膵炎、副腎皮質機能亢進症を調べます。超音波検査:副腎の大きさを検査する。
治療
原因に即した治療を行なう。
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検索! 糖尿病:インスリン療法 Edward C. Ferdman, DVM 竹内和義 翻訳
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20、尿失禁
不随意な排尿があります。多くの場合、不妊手術を施した中型~大型の雌犬に起こります。神経学的な不全、膀胱機能不全、尿道の障害、解剖学的な要因、また、それらが組み合わさって尿失禁になります。
診断
尿検査:尿路感染を調べます。X線検査:腎臓泌尿器専門の獣医科で排泄性尿路造影、逆行性尿路造影、膀胱二重造影を受けさせる。超音波検査:腎臓、尿管、膀胱の検査。腎盂腎炎、水腎症、水尿管症、結石症、膀胱炎、異所性尿管などを検査します。
治療
ジエチルスチルベストロール(ホンバン。雌犬のエストロジェン反応性尿失禁に使用する。副作用は骨髄抑制)、塩酸フェニルプロパノールアミン(感冒薬の成分、排尿筋の弛緩が原因の尿失禁に使用)、塩酸オキシブチニン(ボラキスなど。抗ムスカリン作用とCa拮抗作用を持ち、排尿筋の緊張を抑制する。過緊張性膀胱による頻尿の治療に使用)、エフェドリン、テストステロン、塩酸イミプラミン(問題行動、尿失禁、鎮痛に使用)など。塩酸フェニルプロパノールアミンは心疾患の犬には禁忌。塩酸イミプラミンは、緑内障、心疾患に犬は禁忌です。尿失禁に対する獣医師の処方は様々です。
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検索! 秘尿生殖器疾患 15.エストロゲン反応性尿失禁 犬の診療最前線 株式会社InterZoo
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21、尿管結石症
腎臓から膀胱に至る尿管内に結石が生じます。腎盂腎炎などを起こすと腎盂内に結石ができて、それらの結石が尿管内に下降します。結石が尿管閉塞を起こすと、腎盂、近位尿管などが拡張して、水腎症、水尿管症、腎肥大、腎実質の破壊、尿毒症、尿管破裂などを引き起こします。
診断
尿検査:結晶の分析。X線検査。超音波検査:水腎症、水尿管症、腎盂腎炎、尿管の結石を検査します。
治療
食餌療法、尿酸結石はアロシトールなど。尿管手術はマイクロサージェリーの経験がある獣医科で受けさせる。再発に注意する。
検索! おおあみ泌尿器科 尿路結石 病気の治療と再発防止の手引き 監修 千葉大学大学院医学研究院 前教授 伊藤晴夫
検索! Minds 医療情報サービス 尿路結石症 MindsPLUS/医療提供者向け/Mindsアブストラクト
22、尿路結石の成分
尿路結石の成分は、おおまかに、キサンチン、シスチン、シュウ酸カルシウム、ストラバイト、尿酸塩、リン酸カルシウム、シリカ、それらの混合物に分類されます。
検索! 日本ヒルズ・コルゲート株式会社 犬の尿石症のおはなし
検索! 医学ノート Ver.2 尿路結石
検索! 尿路結石 病気の治療と再発防止の手引き 監修 千葉大学医学部泌尿器科 教授 伊藤晴夫
23、尿路閉塞
結石、尿道栓子、血液凝塊、脱落組織片などが腎臓から外尿道口までの間で尿の流れを妨げます。その結果、急速に尿毒症を起こします。尿排出路の穿孔も同じように尿毒症を引き起こします。
症状
頻尿、血尿、有痛性排尿障害、無尿、食欲廃絶、嘔吐、尿毒臭の口臭、倦怠、元気消失、脱水、低体温、昏睡、痙攣など。
診断
触診:膀胱充満、尿道結石を検査します。血液検査:高窒素血症、高クレアチニン血症、高カリウム血症など。X線検査:結石、腎臓の大きさなどを調べる。超音波検査:腎臓、尿管、膀胱、前立腺、尿道を調べます。心電図検査:高カリウム血症の程度を調べる。P波の消失、徐脈、PR間隔の延長、広いQRS波、背の高いT波など。
治療
尿排出路の穿孔と完全な尿路閉塞は緊急疾患です。急いで、尿流出路の確保、尿閉の原因への対処が必要です。脱水、高窒素血症、高カリウム血症、アシドーシス、低体温、悪心などを治療します。生理食塩水、KN補液1A(大塚製薬)、ラクテックGなどの輸液、高カリウム血症に、重炭酸ナトリウム(1~2mEq/kg)、高カリウム血症の心障害にカルチコール(1~1.5ml/kg、効果発現まで、15分以上かけて静脈注射。徐脈、ST分節の増高、QT間隔の短縮、不整脈が見られた場合は投与を中止)。尿閉は鎮静処置を行ない、膀胱穿刺が必要なら膀胱穿刺を行ないます。ケタラールの使用は避けること。尿閉が開通したら、頻回のカテーテル導尿が望ましい。尿道閉塞の再発に対処します。
検索! 犬の病気と療法食 下部尿路疾患(ストラバイト結石症、シュウ酸カルシウム結石症)
検索! BANYU メルクマニュアル18版 日本語版 秘尿生殖器系 閉塞性尿路疾患
24、ネフローゼ症候群
糸球体腎炎、アミロイドーシスの病態が進行すると、犬は1日3.5g以上の持続的な重度の蛋白尿を排泄します。そして、不可逆的な糸球体の障害、ネフロンの消失、高窒素血症、慢性腎不全が起きます。
症状
重度の蛋白尿、低アルブミン血症、高コレステロール血症、腹水、浮腫、高血圧、凝固能亢進、筋萎縮、体重減少などが特徴的なネフローゼ症候群の症状です。
診断
確定診断:腎生検。尿検査:持続的で重度な蛋白尿。血液検査:低アルブミン血症、高コレステロール血症、尿蛋白:クレアチニン比の検査。X線検査。超音波検査:腎皮質の高エコーと肥厚を調べます。
治療
低ナトリウム・低分子の蛋白食、ACE阻害剤、カルシウムチャンネル阻害剤、抗血栓剤(低用量のアスピリン)など。
検索! 医学教育でのひとりごと ネフローゼ症候群の診断基準には腎機能自体は入っていない
25、排尿障害、頻尿
膀胱、前立腺、尿道疾患によって、排尿障害、頻尿が起こります。様々な原因があるので鑑別診断が重要です。
診断
血液検査:高窒素血症、高カリウム血症の検査など。尿検査:膿尿、蛋白尿、尿pH、血尿の検査。腹部X線検査。超音波検査:異常部位の確認を行なう。
治療
pHコントロール、抗生物質、リマダイル(2.2~4.4mg/kg)、その他。
26、乏尿症、無尿症
0.25ml/kg/1時間以下の乏しい尿生成の犬は乏尿症です。生理的乏尿(低血圧など)、病的乏尿(腎不全)に分類されます。0.08ml/kg/1時間以下の極めて乏しい尿生成の犬は無尿症です。重篤な腎不全、尿路閉塞、尿排泄路の破裂などで無尿になります。
診断
尿検査:1日の尿量に注目する。血液検査:高窒素血症、高クレアチニン血症を調べます。高カリウム血症は病的です。腹部X線検査。超音波検査:尿路閉塞、破裂、結石、尿排泄路の拡張を調べます。心電図検査:高カリウム血症では、幅の拡張した低いP波、心房停止、徐脈、P-R間隔の延長、QRS群の延長、QRS-T融合による幅広の群、心室固有調律、心室細動、心停止など。
治療
乏尿症と無尿症は緊急疾患です。まず、生理食塩水、ラクテックGなどで腎血液灌流量を改善します。腎後性尿毒症は、外科的、カテーテル処置で尿閉を解除します。フロセミド、ドパミン、20%ブドウ糖による利尿を行ないます。腹膜透析を行なうことがあります。腎臓・泌尿器専門の獣医科では血液透析を行なうこともあります。
検索! InterZooより 急性腎不全、慢性腎不全、水腎症(腎水腫)、腎性尿崩症
27、ポリープ状膀胱炎
膀胱粘膜から膀胱内腔にポリープが突出し、潰瘍部分から出血します。
症状
頻尿、血尿、排尿困難など。
診断
確定診断:膀胱の生検。尿検査:血尿、膿尿、移行上皮の細胞を調べる。X線検査。超音波検査:不整形なポリープの塊、膀胱壁の肥厚の程度を調べる。
治療
腎臓・泌尿器専門の獣医科でポリープの外科的切除を受けさせる。抗生物質。
28、良性前立腺過形成
若齢から始まる前立腺の疾患で、老齢犬では90%以上の未去勢の犬が良性に前立腺が肥大します。
症状
症状がでない犬が多い。血尿、排尿困難、細い大便、いきみなど。
診断
X線検査:前立腺の肥大を検査。超音波検査:肥大した前立腺を検査する。エコー源性を調べる。
治療
ウロエースを7日間投与。去勢手術など。
検索! 犬の前立腺疾患 中村智之
検索! 前立腺肥大
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