犬の主要な心臓疾患
1、犬糸状虫症
Dirofilaria immitisが感染することによって起こる疾患です。蚊が媒介し、温暖な気候で、罹患率の高い地域では、予防しないと犬糸状虫症になります。
症状
最初の頃は無症状ですが、しばらくすると喉に何か引っかけたような咳を始めます。重症になると、元気消失、運動不耐性、失神、腹水などが見られます。感染犬にとって、また、飼主にとってもやっかいな病気です。
診断
血液検査:ミクロフィラリアの検出、雌の成虫抗原を検出する検査などで行ないます。X線検査。心エコー検査:右室拡張、右室壁肥厚が見られます。右心室、右心房、肺動脈に線状の虫体が検出されることがあります。
予防
犬糸状虫は予防する病気です。感染期間中、フィラリアの予防薬を飲ませれば100%予防できます。
2000年8月、KS&Rマーケットリサーチ(Medial Magazine Avantk vol.13から引用):飼い主の80%が予定期日に投薬を忘れる。33%が予定期日後30日以上忘れる。20%が投薬を数回忘れた後、その後の投薬を中止する。
Clark E.Atkins先生と萩尾光美先生の対話から抜粋:2005年のハリケーン・カトリーナの時には、救助された犬の92%が犬糸状虫症に感染していた。都市部での感染率は5%以下と推定されますが、地方での感染率は3分の2くらいと推定しています。2002年の調査では、犬糸状虫症を予防している(米国)犬飼育世帯比率は55%でした。米国でのコンプライアンスの実態を反映して、2005年のAHS(American Heartworm Society)ガイドラインに通年投与の推奨が収載された。犬糸状虫症が多い南部では97%の先生方が通年投与を推奨し、北部では44%でした。
治療
治療は、アスピリン、鎮咳剤、プレドニゾロン、利尿剤、強心剤、血管拡張剤、成虫駆除剤、その他と、獣医師によって治療薬が様々です。
検索! 大日本製薬 フィラリアのライフサイクル 指導 萩尾光美 宮崎大学教授
検索! 米国犬糸状虫学会のホームページ
犬糸状虫症感染期間 Heartworm Development Heart Unit クマさんの動物診療所
検索! 超音波心臓断層法を用いたVenae Cavae Syndrome の虫体位置による分類 澤邦彦 左右田護 小山一輝 陰山敏明 小山泉
2、うっ血性心不全-右心系
右心系の機能不全によって、全身の新陳代謝を充足する血液を排出できない状態です。全身の静脈循環がうっ血します。
症状
元気消失、運動不耐性、腹水による腹部膨満を呈する。胸水では、呼吸困難、呼吸促迫が著しい。三尖弁領域の逆流性心雑音、肺動脈弁領域の駆出性心雑音などがある。右室の心筋機能不全(心筋症など。)、右室への圧負荷(犬糸状虫症、肺動脈狭窄症など。)右室充満障害(三尖弁狭窄症、心嚢水貯留など。)、心調律異常(徐脈、房室ブロック、頻脈性不整脈など。)と、多くの要因が絡んでいる。
診断
血液検査、X線検査、心電図検査、胸腔穿刺、腹腔穿刺、エコー検査などで行なう。胸部X線検査:右心系拡大、後大静脈拡張。心エコー検査:先天性疾患、心嚢水の鑑別。肝臓も検査する。(腫大など。)心電図検査:右心拡大。(高いP波、深いS波、右軸偏位など。)
治療
利尿剤、ジゴキシンエリキシル、ACE阻害剤、ベトメディンなどを投与する。獣医師によって処方は様々です。
検索! Dr.小宮山の伴侶動物へのやさしい獣医学 犬のうっ血性心不全の治療法
検索! Kitasato Univ. Electronic Textbook うっ血性心不全
検索! GCLEW.com 犬の心臓治療と延命に新時代 ベトメディン薬で
3、うっ血性心不全-左心系
左心系の機能不全によって、全身の新陳代謝を充足する血液を排出できない状態です。血液は、肺静脈でうっ滞を防止する速度で血液を送り出せません。
症状
元気消失、運動不耐性、失神など。腎臓の血流は悪いので、腎前性の高窒素血症を起こします。肺水腫になる犬もいます。咳、呼吸困難は夜間に悪化します。
診断
聴診で逆流性心雑音が聞こえます。X線検査:左心系と肺動脈の拡大。心エコー検査:左心房拡大、先天性疾患、心嚢水の検査。心電図:心房性、心室性不整脈、幅の広いP波、波形が高く幅が広いQRS群。
治療
ナトリウム制限、利尿剤、ジゴキシンエリキシル、ニトログリセリン、ACE阻害剤(ベトメディン)など、獣医師によって処方が変わります。
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検索! 僧房弁閉鎖不全症
検索! 犬の僧房弁閉鎖不全症
検策! CAPライブラリー
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4、胸水
胸膜腔内に体液が貯留します。
症状
呼吸困難、浅い頻呼吸、開口呼吸、座位呼吸、チアノーゼ、運動不耐性、発咳、元気消失、食欲不振など、心臓血管系と呼吸器系の病状を示します。
診断
聴診:心音、肺音の減弱。胸部打診で鈍い音がします。X線検査:肺葉間裂溝線、肋横隔膜部での肺葉の鈍化など、胸水の所見を調べる。心エコー検査:心疾患、横隔膜ヘルニア、縦隔腫瘤を検査する。心エコー検査は、胸腔穿刺術の前に行なうとよい。
治療
胸腔穿刺術、利尿剤、場合によっては、循環器専門の獣医科で外科手術を受けさせる。
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検索! X線検査と新しい画像診断法 札幌医科大学内科学:鈴木 明、名取 博
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5、犬の全身性高血圧症
心収縮期、心拡張期動脈圧の持続的上昇を呈します。犬は続発性高血圧症が一般的です。正常そうに見える犬でも高血圧症になっていることがあります。
症状
急性の失明、網膜剥離、瞳孔散大、眼球出血、発作、運動失調、旋回、不全麻痺、心雑音などの症状を呈します。
診断
血液検査:高窒素血症(腎不全)、高血糖症(糖尿病)など。X線診断:軽度の心拡大。心エコー:軽度の左房拡張、左室自由壁と心室中隔の肥大。
治療
カルシウムチャンネル阻害薬:(カルシウム拮抗剤であり、上室性頻脈に用いる。スローチャンネルの遮断により細胞内へのカルシウム流入を阻害する。血管拡張作用で末梢血管抵抗を減少させる。塩酸ジルチアゼム、犬:0.5~1.5mg/kg、1日3回。陰性変時作用があるので、徐脈、重度のうっ血性心不全での使用は注意する。副作用:血圧低下、心臓抑制、房室ブロック、食欲不振など。)
ACE阻害剤:(アンギオテンシンⅠからアンギオテンシンⅡへの変換を阻害することによって、末梢血管抵抗、1回心拍出量を減少させる。例えば、エラナプリル、犬:0.5mg/kg、1日1~2回、経口)、ベトメディン、犬:0.25mg/kgが1日量、3.6~6.6kgで1錠、2回に分割投与する。ナトリウム制限食など。)
カルシウムチャンネル阻害剤、ACE阻害剤が効果的でない場合はβアドレナリン遮断薬:(心拍数、心拍出量を減少させ、レニン分泌を抑制する。プロプラノロール、犬:0.2~1.0mg/kg、1日3回、経口。)、血管拡張剤:(細動脈平滑筋に直接作用することで末梢血管抵抗を低下させる。塩酸ヒドララジン、犬:0.5~3.0mg/kg、1日2回、経口。)難しい症例は心臓専門の獣医科に任せること。
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6、犬の肺高血圧症
重篤な肺疾患、重篤な左心疾患、犬糸状虫症、肺血栓栓塞症、左-右短絡の先天性心疾患(肺血流過剰)などによって、収縮期肺動脈圧、平均肺動脈圧が上昇します。
症状
発咳、呼吸困難、運動不耐性、腹部膨満、失神、体重減少などの症状を呈します。
診断
血液検査:犬糸状虫の検査。X線検査:右室拡大、肺動脈肥厚、後大動脈の拡張、胸水、腹水、肝腫大などを検査する。心エコー検査:右房拡張、右室拡張、肺動脈拡張、心嚢水、胸水などを検査する。心電図検査:Ⅱ誘導で肺性P、幅広いQRS群、深いS波、STの低下など。
治療
ACE阻害剤、ベトメディン、カルシウムチャンネル阻害剤、ヒドララジン、アミノフィリン、ジゴキシンなど。βアドレナリン遮断薬プロプラノロールは禁忌です。予後は要注意です。
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7、ジゴキシン中毒
ジゴキシンの安全域は狭く、腎機能低下の犬でジゴキシン中毒に陥りやすい。肥満の犬には脂肪を差し引いた体重分のジギタリスを投与する。利尿剤の併用で低カリウム血症を起こします。低カリウム血症、高カルシウム血症、低酸素症は不整脈を誘発することがあります。
症状
嘔吐、下痢、食欲低下、元気消失、沈うつ、軽度の低体温など。
診断
伝導障害を起こした場合は、房室ブロック、不整脈、ST間隔の減少などがあります。
治療
1日~3日間、ジゴキシンの投与を中止します。電解質で低カリウム血症を修正します。重度の徐脈にはアトロピンを注射します。重度の不整脈には、リドカイン、フェニントインで対応します。ジゴキシンの推奨投与量は0.005~0.01mg/kgで、1日2回投与します。エリキシルは吸収がよいので10%減量します。腎疾患の犬はジゴキシン投与量を減らします。
禁忌:キニジン、ジルチアゼム、β遮断薬、カルシウムチャンネル阻害薬、プロカインアミドなど。
検索! 心疾患犬におけるジギタリス中毒の臨床的研究 堀泰智 小儀昇 海老澤崇史 山野茂樹 上地正実
検索! 治る.com ドクトルアウンの気になる健康情報 副作用>ジゴキシン
8、犬の失神
脳の不十分な還流量によって、酸素と代謝に必要な基質が不足します。
症状
犬は意識を失い、姿勢が崩れ、倒れ込みます。心源性、神経性、血管運動性、代謝性、薬物性など、多くの要因が失神に関与します。癲癇発作(前駆症状や発作後の混迷を伴う。)やナルコプシー(大きな音、外部刺激で回復する。)との鑑別が必要です。
診断
心電図検査:心源性は、徐脈:洞性徐脈、洞停止、第2度房室ブロック、完全房室ブロック。頻脈:上室頻脈、心室頻脈、心房細動、心房粗動。不整脈による心拍出量の減少など。血液検査:低血糖、低ナトリウム、高カリウムの検査。X線検査。心エコー検査など。心拍数を監視します。
治療
高カリウム血症:0.9%生理食塩水の点滴など。
徐脈性不整脈:硫酸アトロピン(0.04mg/kg、iv.、im、sc、1日3回、12kgの犬で1ml、頻脈に注意する。教科書を参照する。)イソプロテレノール(プロタノール:ショック時に使用する昇圧剤、0.01~0.1μg/kg/分、不整脈の発現に注意して使用する。他のカテコールアミンとの併用で重篤な不整脈を起こす。)気管支拡張剤の投与、ソルコーテフの静脈注射50~150mg/kgなど。
頻脈性不整脈:心房性不整脈:ジゴキシン(頻脈、心房細動には積極的に使用する。0.005~0.01mg/kg)、ジルチアゼム(カルシウムイオンチャンネル阻害剤で、血管平滑筋内へのCa取り込みを抑制して血管を拡張させる。上室性頻脈、高血圧にヘルベッサー、0.5~1.5mg、1日3回、経口投与)、β遮断薬(酒石酸メトプロロール:5~50mg/頭、1日3回、経口投与)などの投与。心室性不整脈:リドカイン(期外収縮、発作性頻脈に、キシロカイン、2~4mg/kg、10分以上かけて点滴。6mg/kg、90分ごとに筋肉注射)、β遮断薬、クラスⅠaの抗不整脈剤プロカインアミド(心室性期外収縮、WPW症候群に用いる。ナトリウムチャンネルを遮断して、心筋細胞内へのナトリウムの流入を抑制する。アミサリン、6~8mg/kg、3分以上かけて点滴、10~20mg/kg、経口、1日3回)、塩酸ソタロール(心室性頻脈に用いる。ソタコール、1~2mg/kg、1日2回、経口投与)、クラスⅠaの抗不整脈剤の硫酸キニジン(期外収縮、発作性頻脈、心房細動に用いる。6~20mg/kg、1日3回、経口投与)などを投与する。重篤な心臓疾患は死亡率が高い。
検索! ハート先生の心電図教室
検索! だいじょうぶ?マイペット 獣医師に無料で相談できるペットのQ&Aサイト
検索! 大日本製薬 愛犬が慢性心不全と診断されたペットオーナーの皆様に
9、上室頻拍
150~350回/分の早い心拍数です。第2誘導で、典型的なP波と異なります。犬は虚脱することがあります。粘膜蒼白、毛細管再充満時間の延長、脈圧の減少があります。
診断
リドカイン投与で不整脈が改善します。2%キシロカインならば、0.1~0.2ml/kgをゆっくり、効果を見ながら点滴します。鑑別として、洞性頻脈は急な頻脈の開始と終結がありません。上室性頻脈には急な頻脈の開始と終結があります。心エコー検査:左室内径の短縮率が減少し、心房が拡大します。前胸部殴打法、迷走神経刺激法。
治療
前胸部殴打。プロプラノロール0.02mg/kg、ゆっくり静脈注射します。ジゴキシン、ジルチアゼム0.5~3.0mg/kg、経口、1日3回、キニジン、プロカインアミドなど。
10、ショック
ア、循環血液量減少性ショック:重度の血液喪失によって循環血液減少性ショックを起こします。嘔吐、下痢、消化管出血、熱傷、手術時の出血も血液量減少性ショックを起こします。
症状
頻脈、頻呼吸、粘膜蒼白、四肢冷感、低体温、沈うつ、虚弱など。
診断
X線検査:小心症、肺血流量の減少。心電図:不整脈が見つかることがある。
治療
ラクテックG、90ml/kgを点滴。メディジェクトNa10%、5ml/kg静脈注射。ドパミン(急性循環不全、急性腎不全で用いる。イノバン100~200mgをラクテックG250~500mlに溶かす。2~10μg/kg/分)
イ、心源性ショック:心機能の重大な損傷によって、低血圧、組織循環の悪化を起こし、全身の諸臓器に障害を起こします。症状:粘膜蒼白、毛細血管再充満時間の延長、弱い動脈圧、不整脈、四肢冷感、精神鈍磨など。診断:胸部X線検査で心臓拡大、肺水腫を調べる。心エコー検査:心筋症、弁膜疾患、心筋の収縮性の減弱、心タンポナーゼを調べる。
治療:ジゴキシン(1アンプルは0,25mg。0,005mg~0,01mg/kgなので10kgの犬ならば0,2ml~0,4ml、4回以内。経口ならば、ジゴキシンエリキシルを10kgの犬ならば0,4~0,8ml)、心室性不整脈には2%キシロカイン2mg/kgを点滴。血管拡張剤(エナラウリルなど)、ニトロプルシド(緊急時に用いる血圧降下剤。急激な血圧低下に注意しながら1~10μg/kg/分の点滴)
ウ、敗血症性ショック:全身感染症になると循環内毒素や炎症性伝達物質が放出され、心血管系、血管運動性の不全を起こしてDIC(播種性血管内凝固)になります。その結果、末梢循環不全に陥り、様々な臓器の機能が低下します。診断:血液検査。胸部X線検査:肺炎、肺水腫、膿胸などを検査する。心エコー検査:心筋収縮性の低下、弁膜病変、肺動脈の血栓を調べる。心電図:不整脈など。
治療:ラクテックG90ml/kg、ドパミン、抗生物質など。
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11、犬の拡張型心筋症
右心および左心が拡大します。収縮力が著しく低下します。房室弁閉鎖不全になるので心拍出量は低下し、うっ血性心不全を起こします。肺水腫、腎前性窒素血症は切実な問題です。大型犬、コッカー・スパニエルが罹患しやすい。
症状:頻呼吸、呼吸困難、発咳、虚弱、元気消失、食欲不振、体重減少、腹部膨満、失神など。
診断:股動脈拍動の減弱、脈の欠如、肺水腫による肺のラッセル音、聴診:不整脈、心雑音がある。毛細血管再充満時間の延長、チアノーゼを検査する。X線検査:心陰影の拡大、肺水腫、胸水、腹水を検査する。心エコー検査:確定診断できる。心房、心室の拡大、心筋収縮機能不全(低短縮率:低FS%)。心電図検査:心房細動、心室頻拍、R波3.0mV以上(正常は3.0mV以内)、QRS群の延長(正常は、小型犬0.05秒以内、大型犬0.06秒以内)、ST-Tのコーピングを伴う穏やかなR波の下降脚で心筋疾患、左室虚血を示す。胸水、心膜液貯留で低い電位。
治療
酸素吸入、体温維持、補液、フロセミド、ジギタリス、アミノフィリン、ニトログリセリン、リドカイン、プロカインアミド、ACE阻害剤、β遮断薬(カルベシロール)、ピモペンタン(ベトメディン1,25mg錠、0.1~0.3mg/kg、経口、1日2回)、タウリン、ジルチアゼム(1~1.5mg/kg、経口、1日3回)、ソタロールなど。心室レートを100~140回/分にします。心電図検査は再検査に役に立ちます。心房細動、発作性心室頻拍、低FS%は突然死があります。心エコーは再検査には有用ではない。
検索! Cinii 国立情報学研究所 <原著>拡張型心筋症におけるカルベシロール治療の左心拡張機能に対する効果
検索! 心エコー検査に頻出する英単語 東京大学付属病院検査部 櫻井進
12、心雑音
収縮期心雑音:第1音と第2音の間の収縮期に起こります。拡張期心雑音:第2音と第1音の拡張期に起こります。連続性雑音、往復雑音:大部分で、もしくは、全てを通して聴診できます。
雑音の重度分類:第Ⅰ度:聴診器でかろうじて聴取できる雑音。第Ⅱ度、容易に聴取できる弱い雑音。第Ⅲ度、中間的な雑音。第Ⅳ度、明白な体感振動を伴う大きな雑音。第Ⅴ度:明白な体感振動を伴う非常に大きな雑音。第Ⅵ度:明白な体感振動を伴う非常に大きな雑音。耳を近づけるだけで聴診器でなくても聞き取れる雑音。
聴診部位:僧房弁領域:左第5肋間、肋骨肋軟骨接合部。大動脈弁領域:1つ前の左第4肋間、肋骨肋軟骨接合部上部。肺動脈弁領域:左第2~4肋間、胸骨縁。三尖弁領域:右第3~5肋間、肋骨肋軟骨接合部付近。
収縮期雑音:左側胸壁:僧房弁膜症、心筋症と房室弁閉鎖不全、僧房弁異形成、大動脈狭窄、肺動脈狭窄、心房中隔欠損症、犬糸状虫症、甲状腺機能亢進症、ファロー四徴症、貧血など。
収縮期雑音:右側胸壁:大動脈狭窄、三尖弁内膜症、三尖弁異形成、心室中隔欠損症など。
拡張期雑音:僧房弁狭窄、三尖弁狭窄、大動脈弁膜炎、肺動脈弁膜炎など。
心雑音単独では治療指針は立てられない。X線検査、心エコー検査、心電図で評価します。
検索! 心肺から出る心配な音 竹村直行 日本獣医生命科学大学
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13、心室期外収縮
心臓のインパルスが心室内から発生する疾患です。P波はQRS群から解離します。(心房期外収縮はP波を伴う。)QRS群は幅広く、異なった波形を示します。心筋炎のドーベルマン・ピンシェル、ボクサーなどでみられなす。
症状
虚弱、運動不耐性、失神、突然死など。
診断
聴診:第1音や第2音の分裂が聴取されることがあります。触診で脈の欠落などがあります。血液検査:アミラーゼの上昇は膵炎からの心筋炎を考える。心エコー検査:構造的な心疾患を検査する。心電図検査:ホルダー心電計のある循環器専門の獣医科で検査する。
治療
低カリウム血症を補正します。βアドレナリン遮断薬(心拍数、心拍出量を減少させ、レニン分泌を抑制する。プロプラノロール、犬:0.2~1.0mg/kg、1日3回、経口。)。うっ血性心不全になっていれば、投与開始時の心筋収縮力の低下に気をつけながら、クラスⅠaの抗不整脈剤プロカインアミド(心室性期外収縮、WPW症候群に用いる。ナトリウムチャンネルを遮断して、心筋細胞内へのナトリウムの流入を抑制する。アミサリン、6~8mg/kg、3分以上かけて点滴、10~20mg/kg、経口、1日3回)。不整脈が制御されるまでは、アトロピン、エピネフリン、ドパミンなどは使用しない。
検索! 循環器疾患 心室性期外収縮 犬の診療最前線 InterZoo
14、心室固有調律
心室がペースメーカーの役割を果たします。犬の心拍数は65回/分以下になります。P波は欠けます。先行する、異所性QRS群に隠れます。あるいは、その後に続き、P波はQRS群と関連していません。QRS波形は幅広くなります。
症状
元気消失、衰弱、運動不耐性、失神、心不全。
診断
心電図検査で行なう。
治療
アトロピン、β受容体作動薬イソプロテレノール(ショック時に使用する昇圧剤、0.01~0.1μg/kg/分、静脈内点滴)、塩酸ドパミン(イノバン、血管を拡張させる。細胞内カルシウム++の増加)、循環器専門の獣医科で人工ペーシングの手術。
検索! 弘前大学付属病院 循環器・呼吸器・腎臓外科 心電図クイズ
15、心室細動
心室筋が細動する心室性不整脈。P波はない。QRS群も見られない。無秩序、不規則な調律。振動の大きい粗細動、振動の小さい細かい細動があります。心室の活動が無効なので、心拍出量が急激に低下し、死の1歩手前です。電気的除細動を行なわないと死ぬことが多い。処置:体外式除細動器の設備がある循環器専門の獣医科で、50~100ワット/秒(小型犬)、100~360ワット/秒(大型犬)の除細動を受ける。初回の除細動で効果がない場合、各ショック毎にワット数を増加させる。除細動器がない場合は、成功率は低いが、前胸部、心臓上の胸壁を平手で鋭く殴打する。エピネフリン(ボスミン1mlは1mg=1000μg。ボスミン1mlを10mlの生理食塩水で希釈し、心電図を見ながら、0.5~5mlを静脈注射する。必要に応じて、心電図を見ながら、5分毎に静脈注射する。気管内注射、舌内注射も可能。アナフィラキシーショックには、2.5~5μg/kgを静脈注射する。あるいは、10kgの犬でボスミン1mlをsc、im、iv。または、50μg/kgを気管内投与する。)、低体温、酸-塩基平衡を改善する。除細動が成功したら、心室性頻脈の発現に対してリドカインを投与する。
検索! NIKKEN KOHDEN ADE(自動体外除細動器)とは
検索! ADEはフクダ電子
16、心室中隔欠損症
左心室と右心室が異常な欠損孔で通じています。先天性心奇形の1つです。
症状
小さい欠損孔の犬はは無症状。中等度から重度の欠損孔では、発咳、呼吸困難、運動不耐性、失神などの症状を呈します。右-左短絡では雑音は明確ではない。第Ⅱ音の分裂を伴うことがある。収縮期雑音は右側胸壁上で明瞭に聴取されます。外科手術は難易度が高い。うっ血性心不全を起こした犬は予後不良です。
診断
X線検査:大きな欠損孔では、左心、または、両心拡大があります。右-左短絡では、右心拡大があります。心エコー検査:欠損孔が確認できるときがあります。アーチファクトに注意する。Bモード心エコー法で、左室拡張、肥大を伴う左房拡張があります。確定診断はドップラー心エコー法で行なう。循環器専門の獣医科で診察する。心電図検査:左房拡大、左室肥大、右室肥大、あるいは、右室拡大の所見があります。
治療
ナトリウム制限食、フロセミド、ACE阻害剤(エラナプリル)、ジゴキシンなど。
検索! CAP2008年11月号「犬と猫の実践心エコー図検査」心室中隔欠損症
検索! ALOKA超音波検査セミナー 基本断面をマスターする 傍胸骨アプローチ
17、心室頻拍
3つ以上連続する心室期外収縮。心拍数は150回/分以上。P波が見られる場合はQRS群と解離します。QRS群は幅広くなり、奇妙な形態になります。ジャーマン・シェパード、ボクサー、ドーベルマンで起こり易い。
症状
無症状、虚弱、運動不耐性、失神、突然死など。P-R間隔が一定なのは脚ブロックを伴う上室性頻拍動。
診断
リドカイン投与後、不整脈が消失したら心室頻拍です。
治療
低カリウム血症などを補正する。リドカイン(2%キシロカイン2mg/kg、静脈注射)、その後、点滴。塩酸プロカインアミド(アミサリン2mg~8mg/kg、ゆっくり静脈注射)など。不整脈を制御した後でなければ、アトロピン、エピネフリン、ドパミン、ジゴキシンなどは投与できない。
検索! タコの缶詰め ナース勉強会>モニター心電図>心室頻拍
18、犬の心肺停止
呼吸機能、心機能の停止。呼吸停止の後で心停止になります。
症状
意識喪失、あえぎ、呼吸停止、チアノーゼ、抹消の脈の欠如、心音の聴取不可、刺激に対する反応の欠如、低体温、散瞳など。
診断
蘇生を優先する。聴診。心エコー検査。心電図検査。
救命処置、治療
A:気道確保、気管内挿管など。B:人工呼吸、酸素投与量は150ml/kg/分 C:血液循環の確保。高速の輸液療法。D:硫酸アトロピン(1アンプルは0.5mg、0.04mg/kg、IV,IM,SC、エピネフリン(ボスミン体重60kgで1ml、IV。局所壊死を起こし易いので、生理食塩水で希釈して、50μg/kg、気管内投与)、除細動処置。 E:正確な心電図の解釈。多くは予後不良。
検索! 動物の心肺蘇生術(ペット)犬猫コラム 名古屋動物病院 こざわ犬猫病院院長
19、心房粗動、心房細動
心房粗動:心房調律は規則的なことが多い。基線はF波。300~400回/分。心室の伝導様式は様々。QRS群は正常に見える。
心房細動:P波の消失。基線はf波。心室レートの方は180~240回/分。QRS群は正常に見える。心房収縮が欠如して心拍出量が減少する。
症状
発咳、頻呼吸、呼吸困難、運動不耐性、失神など。
診断
聴診。末梢の脈の欠如。X線検査。心エコー検査。心電図検査など。
治療
ジゴキシン(頻脈、心房細動等が見られる犬に積極的に使用。0.005~0.01mg/kg)、非選択的β遮断剤(主に、不整脈に対して用いる。プロプラノロ-ル、0.1~0.2mg/kg)、カルシウムチャンネル阻害剤(上室性頻脈、高血圧に使用。ジルチアゼム、0.5mg/kg)、クラスⅠaの抗不整脈剤(期外収縮、発作性頻脈、心房細動などに使用する。キニジン、6~20mg/kg、経口)など。房室ブロックがある症例は教科書の注意書きを読む。
検索! KAWANO'S HOMEPAGE 心電図 発作性心房細動
20、心房中隔欠損症
左心房と右心房が心房中隔の欠損孔を通じて短絡します。症状は、欠損孔が小さければ無症状。大きくなるにつれて、運動不耐性、失神、呼吸困難などの症状がでます。
診断
X線検査:大きな欠損孔で、右心、肺血管の拡大。心エコー検査:右心房、右心室の拡張。欠損孔の検査。ドップラー法は優れた検査なので、循環器専門の獣医科で診察を受けさせる。心電図検査:右心室の拡大所見。不整脈、心室内の伝導障害など。
治療
減塩食、フロセミド1~2mg/kg、1日2~3回、ACE阻害剤。
検索! CAP 2008年12月号「犬と猫の実践心エコー図検査」犬の心房中隔欠損症
21、心房停止
心電図でP波が欠如しています。心拍数は一般的に60回/分以下になります。高カリウム血症性心房停止:血清カリウム濃度が8.5mEq/ml以上で高カリウム血症性心房停止になります。洞結節は機能するが、生成された刺激が心房筋を興奮させられないのでP波が欠如します。心拍数は、正常、あるいは、遅い。調律は、規則的、あるいは、不規則。QRS群は幅広く、カリウム値の上昇とともに幅が広くなり、10mEq/ml以上では、QRS群は二峰性の曲線を描きます。アトロピンで心拍数はわずかに上昇します。副腎皮質機能低下症の雌犬で起こり易い。また、心筋症や、尿路閉塞、尿路波裂、乏尿、無尿による腎不全などでも起こります。持続性心房停止:心房筋のジストロフィーによる。
症状
元気消失、失神、除脈。
診断
血液検査:カリウム値、Na/K比27は以下(副腎皮質機能低下症)。高窒素血症の検査など。心エコー検査:心拡大、心筋収縮機能の低下などを検査する。
治療
0.9%生理食塩水の積極的な点滴。尿路の確保(外科手術、処置)。インシュリン、ブドウ糖、重炭酸ナトリウム(メイロン)、グルコン酸カルシウム(カルチコール、致死的な状態から洞調律へ復帰させるのに有用。)禁忌:カリウムを含む補液。持続性心房停止はペースメーカーが必要なので、循環器専門の獣医科で受診させる。
検索! KAWANO'S HOMEPAGE 電解質異常 高カリウム血症
22、心膜液貯留
腫瘍、感染など様々な要因によって心膜嚢内に滲出液が貯留します。大量の心膜液が貯留すると心タンポナーゼを起こします。右心房、左心房は充満が不十分になり、その結果、心拍出量が減少します。うっ血のために肝胆管系、腎・泌尿器系、呼吸器系に障害が及びます。
症状
食欲不振、元気消失、衰弱、運動不耐性、虚脱、失神など。
診断
頻脈、毛細血管再充満時間の延長、蒼白、動脈圧の低下、奇脈、頻呼吸、鈍い心音、摩擦音。慢性例で腹水の検査。血液検査:貧血、凝固系の検査、肝機能検査、電解質など。X線検査:ほぼ球形の心陰影、心拡大。心エコー検査:確定診断する。心膜と心臓表面の心外膜の間に無エコー領域を認める。腫瘍、腹膜心膜ヘルニアを検査する。心電図検査:ときに、上室性、心室性不整脈、低電位QRS群(第Ⅰ、第Ⅱ、第Ⅲ誘導で1mV以下)。症例によっては、ST上昇、電気的交互脈がある。
治療
心膜穿刺術などがあるので循環器専門の獣医師で受診させる。右第3肋骨~右第8肋骨の胸壁を剃毛し、消毒する。第5肋間の肋軟骨接合部の少し下をリドカインで局所麻酔する。長さ2cm以下、21Gほどの針で心膜嚢まで穿刺、吸引する。不整脈を心電図で監視する。ブドウ糖、生理食塩水の補液。フロセミド、スピロノラクトンは腎前性窒素血症を起こしやすいので、低用量で利尿する。抗生物質を投与する。だが、ジギタリス、ACE阻害剤、血管拡張剤(ニトログリセリン)などは投与しない方がよい。
検索! 心エコー図法による心膜液貯留に関する研究 山崎茂 千葉大学医学部第3内科学教室
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23、大動脈弁下狭窄症
大動脈弁下の左室流出路が繊維組織によって狭窄します。また、細菌性内膜炎で狭窄することもあります。
症状
軽度な狭窄は無症状です。重症になると、不整脈、左心系のうっ血性心不全、失神、突然死を起こします。
診断
聴診で、左側第4肋間心基部から肋軟骨接合部付近で収縮期駆出性雑音が聞けます。X線検査:左心拡大。心エコー検査:左室壁、心室中隔の肥厚、大動脈弁の近位部の狭窄、弁の肥厚を確認する。カラードップラー心エコー法は狭窄の遠位部で乱流ジェット流が分かるので循環器専門の獣医科で受診させる。心電図検査:第Ⅱ誘導でR波が3.0mV以上。QRS群が0.06秒を超えることがある。
治療
非選択的β遮断薬、プロプラノロール(β1受容体を遮断して、心筋の活動を抑制、心排出量を減少。頻脈性不整脈の予防。心拍数を下げ、血圧を低下させる。インデラル、0.1~1mg/kg、経口、1日3回8時間ごと)、ジルチアゼム(0.5~2mg/kg、1日3回)、抗生物質。
検索! CAP 2008年9月号「犬と猫の実践心エコー図検査」 大動脈狭窄症~大動脈弁下狭窄症
24、洞性徐脈
洞調律が70回/分以下。大型犬種は60回/分以下です。正常P波、一定のP-R間隔、R-R間隔は不定です。
症状
無症状の犬もいる。元気消失、運動失調、運動不耐性、失神、発作など。
診断
脈拍の減少、体温が低下する犬もいる。血液検査:電解質、甲状腺機能低下の検査。超音波検査:心臓の動きを調べる。心電図検査:アトロピン0.04mg/kgを筋肉注射し、心電図の変化を評価する。
治療
電解質を補う。甲状腺機能低下を是正する。子癇にはカルチコール注射(心電図で徐脈の出現を監視)、アトロピン(抗コリン作用薬、ムスカリン受容体でアセチルコリン作用を遮断する副交感神経遮断作用がある。0.02~0.04mg/kg、IV、IM、SC。)、アトロピンの類似作用がある臭化プロパンテリン(プロバンサイン、0.2~0.4mg/kg、経口、1日2~3回。テオフィリン、テルブタリン(ブリカニール0.2mg/kg、経口、1日3回)、イソプロテレノール(プロタノール、1μg/分、効果が出るまで点滴など。ペースメーカーが必要なことがあるので循環器専門の獣医師に受診させる。
25、洞性頻脈
洞調律だが、心拍数が、子犬220回/分以上、トイ犬種180回/分以上、標準犬種160回/分以上、大型犬種140回/分以上です。PR間隔は一定。P波にQRS群が続く。T波とP波は癒合することがあります。心拍が早過ぎると、拡張充満時間が短縮して心拍出量と冠状血流が不足します。
症状
無症状の犬もいますが、虚弱、運動不耐性、うっ血性心不全、呼吸困難、チアノーゼ、腹水、失神などの症状を呈する犬もいます。
診断
血液検査:甲状腺機能亢進症の検査。X線検査:原発性心疾患の検査。超音波検査:心エコー、副腎腫瘤の検査など。前胸部殴打法:洞性頻拍では変化しないが、心室性不整脈では殴打時に拍動が減少する。
治療
運動制限、減塩食。ジゴキシンエリキシル、利尿剤、ACE阻害剤、ベトメディン、ジルチアゼムなどを投与する。
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26、洞房ブロック
洞結節内で形成されたインパルスで心房の脱分極が起こりません。あるいは、遅延します。第1度洞房ブロック、第2度洞房ブロック(モービッツⅠ型ウェンケバッハ洞房ブロック:P-P間隔が徐々に短くなり休止する。モービッツⅡ型洞房ブロック:洞調律後P-P間隔の整数倍の休止)、第3度洞房ブロックがあります。
診断
血液検査:高カリウム血症の検査。血清ジゴキシン濃度の測定。X線検査。心エコー検査。アトロピン反応検査:アトロピン0.04mg/kgを筋肉注射、30分後、第2誘導で不整脈の結果を評価する。不整脈が改善すれば迷走神経の緊張があった。
治療
電解質の是正、アトロピン、イソプロテレノール、臭化プロパンテリン、アミノフィリン、テオドールなど。ジギタリス、β遮断薬、カルシウムチャンネル阻害剤は投薬しない。ペースメーカー装着が必要なときもあるので循環器専門の獣医科で受診させる。
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検索! 札幌厚生病院循環器科 ペースメーカーの歴史 山田路佳氏作成
27、動脈管開存症
胎生期動脈管が下行大動脈と肺動脈に開存しています。
症状
発咳、頻呼吸、呼吸困難、発育不全、突然死など。
診断
聴診:左心基部の肺動脈上部で連続した機械様雑音。X線検査:背腹像で、下行大動脈拡張、主肺動脈拡大、左心耳拡大、左心室拡大。心エコー検査:左心房、左心室、主肺動脈の拡張。ドップラー心エコー検査で確定するので循環器専門の獣医科で受診させる。心電図検査:広いP波(心房拡大)、高いQRS群など。
治療
外科手術を考慮する。ジギタリス、フロセミド、ACE阻害剤、ベトメディン、ヒドララジンなど。
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検索! 外科的結紮手術を行なった犬の動脈管開存症の5例 園田康広、川上正、長澤裕 長澤晶子 小川健 川村奈津子 櫻田晃 長谷川孝寿 大岡恵
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28、肺水腫
肺胞腔、肺間質に体液が過剰に貯留し、肺でのガス交換が不十分になります。
症状
頻呼吸、発咳、呼吸困難など。外鼻孔、口腔から淡紅色の泡沫が出ていると極めて重症です。
診断
聴診:捻髪音、喘鳴音をある。X線検査:肺門部、右肺後葉部の肺胞パターン、間質パターンを調べます。心臓肥大など。超音波検査:肺水腫の抽出は困難です。
治療
酸素吸入、6~10L/分、血液量減少で補液が必要ならば生理食塩水で水和する。フロセミド、スピロノラクトン、ACE阻害剤、ヒドララジン、ニトログリセリン、ニトロプルシド、アミノフィリン、テオフィリン、ジアゼパム、コルチコステロイドなどを投与する。
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29、日射病、熱射病
直腸温が41度Cを超える。42.7度C以上の直腸温では多臓器不全(神経系、心血管系、消化器系、肝胆管系、腎・泌尿器系、筋骨格系、血液・リンパ系など)になる。43度C、5分間の直腸温で予後不良です。
症状
41度C以上の高体温、あえぎ、呼吸困難、流涎、粘膜充血、点状出血、頻脈、心律動異常、ショック、吐血、血便、筋震顫、痙攣、昏睡、呼吸停止、心肺停止など。
診断
41度C以上の直腸温、血液検査値の異常など。X線検査、超音波検査など。
治療
最も大切な処置は、水道水を流し続けている水風呂(ビニールの大きなゴミ袋も代用可)に入れること。水道水をかける。直腸温度が39.4度Cに落ちたら冷却を中止する。ラクテックG、重炭酸ナトリウム、抗生物質、コルチコステロイド、フロセミド、ヘパリンなど。心室性不整脈にリドカイン、痙攣にセルシンなど。
検索! 熱中症-熱射病-日射病 茶屋ヶ坂動物病院院長 金本勇
検索! 熱中症のホームページ 応急手当
30、肺動脈狭窄症
右心室から肺動脈への流出路、弁下部、弁部、弁上部の狭窄によって右室の収縮期圧が上昇します。重度の狭窄では、右室が幾何学的に変化し、二次的に三尖弁閉鎖不全を起こします。その結果、不整脈を起こしたり、右心系のうっ血性心不全になります。労作性失神、突然死などもあります。
症状
軽症は無症状ですが、重症な犬は、呼吸困難、運動不耐性、労作性失神、突然死など。
診断
聴診:左側心基底部で収縮期雑音。X線検査:右心系拡大所見。背腹像の1時~2時に肺動脈の拡張所見など。心エコー検査:右室肥大、狭窄部の抽出。異形成の肺動脈弁は、厚く、高エコー。肺動脈の狭窄後拡張などを調べる。ドップラー検査は優れた検査なので循環器専門の獣医科で受診させる。心電図検査:第2誘導で深いS波。心房細動など。
治療
フロセミド、ジゴキシン、低用量のベトメディンなど。