猫の主要な腎臓・泌尿器疾患
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1、アシドーシス
血漿中の重炭酸イオン濃度[HCO3-]が減少し、水素イオン濃度[H+]が上昇します。pHは低下します。HCO3-を多く含んだ液体の喪失、腎臓からの酸排泄の減少などが原因です。腎不全、糖尿病、副腎皮質機能低下症、中毒、下痢、炭酸脱水素阻害剤投与などで起こります。生理学を勉強しても理解し難い病気です。
症状
沈うつ、頻呼吸など。
診断
血液ガス測定が必要なので血液専門の獣医科で受診します。
治療
乳酸リンゲル液を点滴します。炭酸水素ナトリウムの添加も考慮します。高カリウム血症、心室性の不整脈を管理します。
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2、猫(アビシニアン)のアミロイドーシス
不溶性細繊維蛋白質(アミロイド)が細胞外に沈着します。中高齢のアビシニアン、シャム猫など、好発品種があります。主に腎臓に沈着し、肝臓など、他の組織に沈着することもあります。
症状
食欲不振、元気消失、多渇多尿、体重減少。猫の腎臓は萎縮腎を呈し、腎臓は小さく、硬く、桑の実のようにデコボコしています。
診断
腎生検:但し、沈静処置等で猫の寿命が縮めることがある。血液検査:非再生性貧血、高グロブリン血症、高コレステロール血症、低蛋白血症など。高窒素血症、高クレアチニン血症の猫は予後不良です。腹部X線検査:萎縮腎。超音波検査:高エコーで小さい腎臓。
治療
0.9%生理食塩水、乳酸リンゲルの点滴。リン、蛋白の制限。場合によっては低ナトリウム食を与えます。
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3、アルカローシス
血漿中の重炭酸イオン〔HCO3-]濃度が増加し、水素イオン[H+]濃度が低下します。pHは上昇します。
症状
虚弱、腸閉塞、カリウム欠乏による不整脈、カルシウムイオン濃度の減少による筋肉の痙攣などを引き起こします。頻繁の嘔吐、利尿剤の投与なども原因です。低カリウム血症、低クロール血症のことも考慮します。重炭酸塩濃度は、通常、検査しないので、誤診しやすい病気です。
治療
塩化カリウムを添加した0.9%生理食塩水の点滴。
検索! ATH(VT)に必要な臨床検査の基礎知識 竹内和義(たけうち動物病院)
4、猫の下部尿路感染症
尿結石、腫瘍などが原因のこともあります。雄猫では下部尿路感染症からリン酸アンモニウムマグネシウム結晶が膀胱内にできて尿道閉塞を起こすことがあります。
症状
血尿、頻尿、排尿障害、尿意切迫、おもらし、アンモニア臭の強い尿など、様々な症状を呈します。
診断
触診:膀胱や尿道の圧通を示します。慢性尿路感染症は膀胱壁が肥厚しています。N-マルティスティックスSG-Lは、白血球、亜硝酸塩、蛋白質、Ph、潜血、比重が測定できます。その他、ウロビリノーゲン、ケトン体、ビリルビン、ブドウ糖が検査できます。尿培養と感受性試験:膀胱穿刺の尿が好ましい。X線検査。超音波検査:膀胱、尿道の潜在的な病変を精査します。
治療
フルオロキノロンなど、適切な抗生物質を1週間~数ヶ月間投与します。処方食pHコントロール。糖尿病、副腎皮質機能亢進症、尿結石があればそれらの治療も行ないます。
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検索! 猫の突発性膀胱炎とは(猫のIC) インターズCLINIC NOTE 2006年12月号 尿下部尿路疾患の診断アプローチと治療の注意点 桑原康人先生
5、血尿症
尿中に血液が混在します。上部尿路疾患、下部尿路疾患、生殖器系疾患で血尿になります。原因は様々です。猫の尿道閉塞の際に血尿がでるときがあります。
診断
血液検査:腎機能、血小板、凝固系を検査します。尿検査:結晶、細胞、培養など。N-マルティステックスSG-L検査。X線検査。超音波検査(腎、尿管、膀胱、前立腺、子宮など)。
治療
pHコントロール、抗生物質で治療します。尿道閉塞は緊急疾患です。尿道を開通させるために獣医科で早急に治療・処置してください。沈静剤の注射が必要です。多くの雄猫が腎後性尿毒症を起こしているので処置が上手くいっても尿毒症の治療が必要です。猫の尿閉は次のことを理解することが大切です。①、猫は尿閉になってから72時間~96時間で死にます.。多くの場合、飼い主は、1日~2日が経過した頃に猫の異変に気付きます。つまり、腎後性尿毒症に陥る頃に獣医科に連れて行くのです。獣医師は危険を承知で沈静剤を注射しなければなりません。なぜならば、尿閉を解除する処置は激痛が伴うからです。②、リン酸アンモニウムマグネシウムの砂状結石は尿道を傷つけています。ですので、尿閉の解除処置が上手くいってもその箇所から出血して血のり(血餅)が原因で再び尿閉になります。ですので、カテーテルを留置する必要があるのです。もし、カテーテルを留置しなければ人間の手で膀胱をしぼらなければなりません。③、多くの場合、猫の膀胱は麻痺しているので猫自身の努力だけでは排尿できません。だから、猫を入院させないのであれば、飼い主の協力と努力が必須です。つまり、血のりを尿道から出して尿道を確保すること。麻痺した膀胱機能が回復するまで、3日ほど、膀胱を絞ってやらねばなりません。④、それらが上手く行ったとして、次に尿毒症の治療が必要です。閉塞後利尿による脱水を治療しなければなりません。⑤、最後に、再発の問題があります。⑥、その他にも、膀胱波裂など、幾つかの問題をクリヤしなければなりません。しかも、時間外診療が多く、猫の尿閉は様々な問題を孕んだ泌尿器疾患です。
検索! あおぞら動物病院 猫のよくある病気 猫の泌尿器症候群(FUS)
検索! WASHINGTON STATE UNIVERSITY Pet Health Topics Urogenital System of the Cat.
6、高窒素血症、尿毒症
腎前性、腎性、腎後性によって、血中などに尿素、クレアチニン、その他の非蛋白性窒素化合物が過剰に存在する疾患です。それらは、腎前性高窒素血症、腎性高窒素血症、腎後性高窒素血症に分類されます。障害は全身に及びます。
症状
食欲不振、元気消失、沈うつ、倦怠感、嘔吐、下痢、尿毒臭の口臭、脱水、つやのない被毛、強膜、結膜の充血など。末期で、貧血、昏睡、痙攣など。
診断
血液検査:高窒素血症、高クレアチニン血症、高カリウム血症。尿比重:1.035以上の場合は腎前性窒素血症を示唆します。腹部X線検査。腎臓超音波検査:腎実質のエコー源性の違い、腎臓の大きさを検査します。尿管、尿管結石を検査します。腹水は膀胱破裂の可能性があります。心電図検査:高カリウム血症の波形を検査します。確定診断:腎生検。
治療
0.9%生理食塩水の輸液。尿路の閉塞を解除します。
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7、糸球体腎炎
腎臓の糸球体内に免疫複合体が沈着します。糸球体腎炎が進行すると、硝子化、硬化して、ネフロン喪失、慢性腎機能障害、腎不全になります。
症状
多渇多尿、食欲不振、悪心、嘔吐、体重減少、元気消失、浮腫、腹水、血栓症、高血圧など。
診断
尿検査:蛋白尿。血液検査:低アルブミン血症。蛋白尿:クレアチン比を調べます。(ネフロン喪失が進むにつれて蛋白尿は減少する。)腹部X線検査。超音波検査など。確定診断:腎生検。腎臓・泌尿器科専門の獣医師に受診させる。
治療
ナトリウムを減らします。高品質の低蛋白食。ACE阻害剤(エナカルド)、低容量のアスピリン。コルチコステロイド、シクロスポリン、シクロホスファミドなど。
検索! 犬猫の病気 泌尿器の病気と症状 糸球体腎炎の原因・症状・診断・治療 Mインフォサービス
8、腎盂腎炎
上部尿路感染症です。通常、下部尿路感染の原因菌が上行感染することによって起こります。腎盂内の結石は感染菌の温床です。重症になると尿路性敗血症に陥ります。
症状
発熱、食欲不振になる猫もいます。多渇、多尿、頻尿、排尿障害。腹部、腰部の疼痛、排尿痛、血尿、悪臭尿、変色尿など。
診断
触診:腎臓の触診を痛がります。血液検査:白血球の増加。尿検査:血尿、蛋白尿、細菌尿など。超音波検査:腎盂、近位尿管の拡張、高エコー源性。腎結石の検査など。確定診断:腎盂の尿の培養結果、腎生検。
治療
腎結石は除去します。抗生物質を1ヶ月以上連用します。
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9、腎結石症
腎盂内、集合管憩室に結石が存在する疾患です。結石が尿管に流入すると尿管結石になります。尿路感染症、水腎症、腎後性尿毒症などの問題も孕んでいます。成分によって、シュウ酸カルシウム、ストラバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)、リン酸カルシウム、混合物に分類します。
症状
多くは無症状。血尿、頻尿、排尿困難、腎疝痛、食欲不振、嘔吐、発熱、倦怠感など、閉塞の具合で症状が変わります。
診断
血液検査:左方移動を伴う白血球増加。尿検査:血尿、結晶尿。X線検査、超音波検査。
治療
ストラバイト、尿酸塩、シスチン尿結石は内科治療が可能です。
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10、薬物による腎障害
疾患の診断、治療に用いる腎毒性のある薬物は数多くあります。それらの殆どの薬物は近位尿細管壊死を起こします。アミノグリコシド系抗生物質(硫酸ゲンタマイシン)、硫酸アミカシン、硫酸トブラマイシン、塩酸テトラサイクリン、サルファー剤(トリメトプリム-スルファ)、抗真菌剤(アンホテリシンB、フルコナゾール)、抗腫瘍剤(塩酸ドキソルビシン、塩酸ブレオマイシンなど。猫にはシスプラチンは使用しない。)、ACE阻害剤、非ステロイド系抗炎症剤、駆虫剤、造影剤など。詳細は獣医師にお尋ねください。
症状
胃腸炎、潰瘍、多飲、多尿、食欲不振、嘔吐、下痢、脱水、メレナ、アシドーシスの症状、頻呼吸、呼吸困難、易感染、元気消失、沈うつなど。
診断
血液検査:高窒素血症、高リン血症。
治療
0.9%生理食塩水の補液。
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11、腎肥大
片側性、両側性に腎臓が肥大します。腫瘍(リンパ腫など。)、炎症、感染(猫伝染性腹膜炎など。)、尿路閉塞、腎嚢胞、腎膿瘍、水腎症などによって肥大しているように見えたり、また、実際に肥大します。
症状
食欲減退、元気消失、体重減少、嘔吐、下痢、多尿多渇、腹部膨満、貧血など。
診断
血液検査:高窒素血症、高リン血症を調べる。尿検査:高蛋白、血尿、比重などを検査します。X線検査:腎臓の大きさを調べます。第2腰椎の3倍以上の大きさ。腎臓・泌尿器科専門の獣医師で排泄性尿路造影を検査する。超音波検査:腫瘍、膿瘍、感染、血腫、嚢胞、偽嚢胞、水腎症を鑑別します。確定診断:腎生検。
治療
乳酸リンゲル液の補液、外科手術など。
12、急性腎不全
幾つかの原因で腎臓の濾過機能不全が起こり、尿毒症になります。腎前性の疾患(ショック、薬物、心不全による腎臓の血流不足など)。腎性の疾患(腎炎を起こす疾患、血栓栓塞症、熱射病、長時間の麻酔など)。腎後性の疾患(猫泌尿器症候群、尿管の閉塞など)に分類されます。
診断
腎前性、腎性、腎後性を鑑別します。血液検査:BUN、クレアチニン、白血球、その他の血液検査。尿検査:細菌、蛋白、血糖、その他の項目。X線検査:腎臓の大きさなど。超音波検査:腎臓の大きさ、高エコー、腎盂、尿管の拡張、結石などを検査します。
治療
猫の尿閉は結石を尿道から開放します。腎臓サポートの食餌、0.9%生理食塩水を過剰気味に補液、ラクテックGの補液(カリウムを含むので注意)。水和されたらフロセミドなどで利尿します。重炭酸ナトリウム、コントミン注射。プロナミド、タガメット、スクラルファートを投与します。急性腎不全の治療は、1週間ほど、綿密な計画が必要です。特に、尿閉は、それ以前の猫は健康そうに見えたので、急性腎不全への飼い主の理解が必要です。
13、慢性腎不全
不可逆性の腎機能不全です。腎実質の75%以上が尿濃縮能を欠如しているので猫の尿比重は1.035以下です。加齢によって腎実質の破壊が進み、15歳を過ぎると15%以上の猫が慢性腎不全になっています。
症状
多尿多渇、食欲不振、嘔吐、元気消失、体重減少、頻尿、脱水、粘膜蒼白、尿毒症臭の呼気、昏睡、痙攣など。
診断
血液検査:高窒素血症、高クレアチニン血症、その他。尿検査:尿比重1.035以下。軽度の蛋白尿。X線検査:小さな腎臓。触診:表面がゴツゴツした小さな腎臓を確認します。超音波検査:腎臓が小さくなっているかを検査します。
治療
ラクテックGを皮下注射。コントミン注射。プロナミド、タガメット、クレメジン、ネフガードなどの投与。電解質サポート、腎臓サポートの食餌など。
検索! Dr.小宮山の伴侶動物へのやさしい(優しい)獣医学 猫の慢性腎不全
14、多尿症、多渇症
猫の多尿症は、1日に体重1kgあたり40ml以上の尿産生があります。多渇症は、1日に体重1kgあたり50ml以上の飲水量があります。腎臓、下垂体、視床下部(前葉の渇き中枢の刺激で多渇症。後葉の抗利尿ホルモンADHの合成の不足、放出の制限で多尿症。)、心血管系の疾患によって、多尿症、多渇症になります。多尿症、多渇症になる原因は様々です。ネフローゼ症侯群、腎不全、腎盂腎炎、副腎皮質機能亢進症、肝不全、糖尿病、子宮蓄膿症、尿崩症、腫瘍などは代表的な病気です。
診断
診断は難しいので一概には言えません。腎臓・泌尿器科、生殖器科、内分泌科、循環器科、消化器科、腫瘍科など、総合的な専門知識が必要です。血液検査。X線検査。超音波検査:肝、腎、副腎、子宮などを検査します。
治療
ラクテックG、電解質サポート、その他。
15、蛋白尿
尿中の蛋白質が増加します。前糸球体性蛋白尿、糸球体性蛋白尿、後糸球体性蛋白尿があります。
診断
尿検査:尿比重を考慮して、尿スティック検査の尿蛋白の増加を判断します。蛋白/クレアチニン比など。超音波検査:腎皮質と腎髄質が不明瞭になっているかを検査します。腎臓の大きさ、腎表面の不規則性などを調べます。確定診断:腎生検。
治療
適度に蛋白質を制限した食餌、ACE阻害剤。浮腫にはフロセミドを投与します。
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16、尿糖
尿スティック検査で陽性になるほどの糖が尿中に存在します。糖尿には、一過性糖尿、持続性糖尿があります。糸球体濾過液中のグルコース濃度が尿細管上皮の輸送閾値(260~310)以上になると糖尿になります。一過性糖尿は、生理的糖尿(猫のストレスなど)、薬物学的糖尿があります。
症状
糖尿が、慢性、重度になると、多尿多渇、尿路感染症、その他、原発疾患による症状を呈します。
診断
尿検査:糖尿、ケトン体の尿スティック検査。血液検査:腎機能検査。膵炎、副腎皮質機能亢進症を調べる。超音波検査:副腎の大きさを検査する。
治療
原因に即した治療を行ないます。
検索! 糖尿病の新薬情報-インスリン篇 グラルギン(猫:1日2回、0.25~0.5IU/Kg。1ヵ月後、寛解が始まる。低血糖に注意する。)デテミル(1日1~2回)
検索! 医薬品検索イーファーマ 商品名 レベミル注 ペンフィル
検索! Wiki Pet diabetes Caterory:Feline Levemir users
17、尿管結石症
腎臓から膀胱に至る尿管内に結石が生じます。腎盂腎炎などを起こすと腎盂内に結石ができてそれらの結石が尿管内に下降します。結石が尿管閉塞を起こすと、腎盂、近位尿管などが拡張して、水腎症、水尿管症、腎肥大、腎実質の破壊、尿毒症、尿管破裂などを引き起こします。
診断
尿検査:結晶の分析。X線検査。超音波検査:水腎症、水尿管症、腎盂腎炎、尿管の結石を検査します。
治療
食餌療法(pHコントロールなど)。尿管手術はマイクロサージェリーの経験がある泌尿器専門の獣医科で受けさせる。再発に注意する。
検索! 書評のページ 猫とネコのふたつの本棚 「尿路感染症の治療と食餌療法 組み合わせ自由な新レシピ付き」
18、尿路結石の成分
尿路結石の成分は、キサンチン、シスチン、シュウ酸カルシウム、ストラバイト、尿酸塩、リン酸カルシウム、シリカ、それらの混合物などに分類されます。
検索! 日本ヒルズ・コルゲート株式会社 猫下部尿路疾患(FLUTD)のおはなし
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19、尿路閉塞
結石、尿道栓子(猫では最も一般的)、血液凝塊、脱落組織片などが腎臓から外尿道口までの間で尿の流れを妨げます。その結果、急速に尿毒症を起こします。尿排出路の穿孔も同じように尿毒症を引き起こします。
症状
頻尿、血尿、有痛性排尿障害、無尿、食欲廃絶、嘔吐、尿毒臭の口臭、倦怠、元気消失、脱水、低体温、昏睡、痙攣など。
診断
触診:膀胱充満、尿道結石を触れて検査します。血液検査:高窒素血症、高クレアチニン血症、高カリウム血症など。X線検査:結石、腎臓の大きさなどを調べます。超音波検査:腎臓、尿管、膀胱、前立腺、尿道を調べます。心電図検査:高カリウム血症の程度を調べます。P波の消失、徐脈、PR間隔の延長、広いQRS波、背の高いT波など。
治療
尿排出路の穿孔と完全な尿路閉塞は緊急疾患です。急いで、尿流出路の確保、尿閉の原因への対処が必要です。脱水、高窒素血症、高カリウム血症、アシドーシス、低体温、悪心などを治療します。生理食塩水、KN補液1A(大塚製薬)、ラクテックGなどの輸液、高カリウム血症に、重炭酸ナトリウム(メオロン、1~2mEq/kg)、高カリウム血症の心障害にカルチコール(1~1.5ml/kg、効果発現まで、15分以上かけて静脈注射。徐脈、ST分節の増高、QT間隔の短縮、不整脈が見られた場合は投与を中止)。尿閉は鎮静処置を行ない、膀胱穿刺が必要なら膀胱穿刺を行ないます。ケタラールの使用は避けること。尿閉が開通したら頻回のカテーテル導尿が望ましい。尿道閉塞の再発に対処する。pHコントロール。
検索! 村山動物病院 だいちゃん通信 秘尿器疾患 ~冬に多いFLUTD~
20、突発性猫尿路疾患
猫の1%ほどが罹患する緊急疾患です。原因は、カリシウイルスなど、数種類のウイルスが候補として上がっています。
症状
血尿、頻尿、排尿障害、不適切な場所での排尿、尿路閉塞、陰部をなめるなど。
診断
視診:尿結石の結晶を見つけます。触診:肥厚、硬結した膀胱壁を触ります。尿検査:血尿、蛋白尿。血液検査:高窒素血症、高カリウム血症、高リン血症の検査。X線検査。超音波検査など。
治療
トリプタノール、0.5~2mg/kg、シナプス前神経終末でセロトニンなどの取り込みを抑制する。突発性猫尿路疾患、慢性突発性膀胱炎に用いる。その他の薬剤。pHコントロール。
20、ネフローゼ症候群
糸球体腎炎、アミロイドーシスの病態が進行すると猫は1日3.5g以上の持続的な重度の蛋白尿を排泄します。そして、不可逆的な糸球体の障害、ネフロンの消失、高窒素血症、慢性腎不全が起きます。
症状
重度の蛋白尿、低アルブミン血症、高コレステロール血症、腹水、浮腫、高血圧、凝固能亢進、筋萎縮、体重減少などが特徴的なネフローゼ症候群の症状です。
診断
確定診断:腎生検。尿検査:持続的で重度な蛋白尿。血液検査:低アルブミン血症、高コレステロール血症、尿蛋白:クレアチニン比の検査。X線検査。超音波検査:腎皮質の高エコーと肥厚を調べます。
治療
低ナトリウム・低分子の蛋白食、ACE阻害剤(エナラプリル)、カルシウムチャンネル阻害剤、抗血栓剤(低用量のアスピリン)など。
検索! 犬猫の病気データベース サーチエンジン 山田動物クリニック 検索結果 猫・ネフローゼ症候群
21、排尿障害、頻尿
膀胱、前立腺、尿道疾患によって排尿障害、頻尿が起こります。様々な原因があるので鑑別診断が重要です。
診断
血液検査:高窒素血症、高カリウム血症の検査など。尿検査:膿尿、蛋白尿、尿pH、血尿の検査。腹部X線検査。超音波検査:異常部位の確認を行ないます。
治療
pHコントロール、抗生物質、リマダイル(2.2~4.4mg/kg)、その他。
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22、乏尿症、無尿症
0.25ml/kg/1時間以下の乏しい尿生成の猫は乏尿症です。生理的乏尿(低血圧など)、病的乏尿(腎不全)に分類されます。0.08ml/kg/1時間以下の極めて乏しい尿生成の猫は無尿症です。重篤な腎不全、尿路閉塞、尿排泄路の破裂などで無尿になります。
診断
尿検査:1日の尿量に注目します。血液検査:高窒素血症、高クレアチニン血症を調べます。高カリウム血症は病的です。腹部X線検査。超音波検査:尿路閉塞、破裂、結石、尿排泄路の拡張を調べます。心電図検査:高カリウム血症では、幅の拡張した低いP波、心房停止、徐脈、P-R間隔の延長、QRS群の延長、QRS-T融合による幅広の群、心室固有調律、心室細動、心停止など。
治療
乏尿症と無尿症は緊急疾患です。まず、生理食塩水、ラクテックGなどで腎血液灌流量を改善します。腎後性尿毒症は、外科的、カテーテル処置で尿閉を解除します。フロセミド、20%ブドウ糖による利尿を行ないます。腹膜透析を行なうこともあります。設備が整った腎臓・泌尿器専門の獣医科では血液透析を行なうことがあります。